ピックアップワイン

モリウミアス ファーム アンド ワイナリー 陽光【2023】

MORIUMIUS FARM&WINERY 
2023 Yokou
 
セイベル56% デラウェア44% (手摘み/山形県の複数農家から)
収穫後にすぐに除梗 (デラウェアは完熟と完熟前の熟度の違うブドウを収穫)
14日間醸しプレス
2ヶ月間発酵・熟成(澱引き2回) 無濾過・無清澄
SO2 無添加
 
山形県南部の食用ブドウをメインに、収穫後車で1時間かけ委託醸造先のファットリア・アル・フィオーレ社に持ち込みすぐに除梗、14 日間醸し後プレス、2ヶ月発酵・熟成しサンスフルで仕上げました。
濁りのある淡いオレンジカラー、ミントやディル、野菜の香りを感じ ます。アタックから果実味よく香りからは想像できない味わいは良質でタンニンも心地良く均衡のとれた逸品です。
 
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「森と海と明日へ」子どもと街の未来を育む
環境再生型ワイナリーの挑戦
 
【MORIUMIUS FARM&WINERYとは】  
宮城県石巻市雄勝町にある、こどもたちのための複合体験施設 「MORIUMIUS(モリウミアス)」  2015年から、子どもたちに本当の意味で自然と共生すること、命も含めたエネルギーの循環を人が生み出せるという「循環する暮らしの体験」 を提供しています。学校の課外授業や林間学校、家族での滞在や、企業の研修などに加え、雄勝町に一年間小・中学生が移住する、漁村留学制度も行われています。
 
MORIUMIUS FARM&WINERYは、この循環を地域の持続可能な産業へとつなぐワイナリープロジェクトとして、2020年に同県川崎町の 「Fattoria AL FIORE」での委託醸造からスタートしました。2023年には、津波被害で人が住めなくなった街の中心部約1haの土地を、自然の力で土壌を再生させる「環境再生型(リジェネラティブ)農業」によって自社ブドウ畑にする取り組みを始め、2024年に植樹。2025年にはカフェや食品加工場も併設した自社醸造施設「MORIUMIUS MARINE & FOOD」が完成し、2026年に初の自社醸造を迎えます。
 
MORIUMIUS代表の油井元太郎さんは、震災前まで東京でキッザニアの立ち上げと運営に携わっていました。子どもの体験を通じた教育活動に関わる中で、日本の地方の農家や漁師の現場で、一次産業に子どもたちが触れることが、よりこどもと地域のためになると感じていたそうです。
 
東日本大震災の被災地へ炊き出しに通っていた時、当時の雄勝中学校の校長先生から「給食センターが流されて給食が届かない。全員が避難所暮らしで、せめて学校にいる時ぐらいは、作り手のいる温かい食べ物を食べさせたい」という相談を受けます。なにかできることはないかと、社団法人を立ち上げて寄付金を集め、仙台の料理人にお弁当を作ってもらい、届け始めました。やがて中学3年生の進学のためのアフタースクールの要望などもあり、2012年頃から町の子どもたちの教育支援団体として活動することになりました。雄勝の地元中学校や小学校で体験の機会を作ることを行ううち、1923年竣工の廃校に出会います。地元の子どもたちのために使ってほしいとの思いを受けて、2013年からリノベーションを開始。油井さんはそのタイミングで東京を離れ、二年間の間に約5,000人のボランティアの方々の力を得 て、2015年にMORIUMIUS(モリウミアス)は誕生しました。
 
【雄勝に有機・無農薬のブドウ畑を】  
それから10年。津波で流された街の中心部は災害危険地域として石巻市が土地を買い上げ、人が住めない場所になっています。かつては商店街や学校があり、家や会社を失った方は、先祖に申し訳ない、土地を守れなかったという寂しさや悲しさを感じ続けていたそうです。それをなんとかしようと、2020年より「雄勝ローズファクトリーガーデン」の徳水さんをはじめとする住民の方々と石巻市との対話がはじまり、2023年には「雄勝ガーデンパーク」という市の事業として、花と緑で美しい空間をつくり産業を生み出す公園がスタート。各区画を地元の方や事業者が活用し、土地の整備は行政が行い、その先は自由に農業ができる仕組みです。
 
ご両親がワイン好きで、アメリカに長く住んでいたこともあり、家ではビールではなくワインが日常的だった油井さん。大人になってからも自然とワインに親しんでいて、ワイナリーを何百軒も訪ね、いつか自分でもと思うおぼろげな夢もあったそうです。それが街のためになるならと、MORIUMIUSはブドウ園と醸造所を立ち上げることになったのです。ワイン造り以外にも、ブドウの果皮の酵母菌を利用したパンやピザ生地づくりなどで、子どもたちの教育に活用できないかと考え、住民の賛同も得ました。「難しいことに挑むのが我々の役割」と語る油井さん。本気でおいしいものを作りたい。その道のりがハードだからこそ、いろんな人に関わってもらえるチャンスだと考えているそうです。付加価値の高い作物を選ぶこともできましたが、儲けることが目的ではなく、目の前の現実をどう良くするか、子どもたちと街の未来にどう繋げていくかを考えた結果、ブドウとワインに行きついたのです。
 
畑となる場所は、盛り土で塩害土を入れ替えた結果、道路工事の土砂、近隣の山を切り崩した山土が盛られ、非常に無機質で強い粘土質でした。有機無農薬を貫くため、人の力で地元の自然資源を生かす方法を選びました。竹炭を焼いて入れ、ソルガムという緑肥を播き、2mに伸びた段階で刈り取って漉き込みます。微生物がそれを分解するために土に集まり、時間はかかりますが、人はより良い自然環境を育める、それを土づくりを通じて表現してきました。また、当初の土壌のpHは2.0でブドウが育つ環境ではなかったため、石灰をまいたり、地元でたくさん取れる牡蠣殻、ホタテ殻、ムール貝を集めては焼いて撒くなど土壌の中和を行い、今では6.5~7を示すところまで来ました。さらに、水はけが悪いところは暗渠を掘り、パイプを入れて砂利を敷く一般的な方法に加え、竹の枝や木の枝、葉っぱを入れて、排水を良くする通気浸透水脈も導入しながら土壌改良を進めました。こういった作業も、MORIUMIUSの立ち上げの時のように、たくさんの人が関わっています。「農園主」というオーナー制度も立ち上げ、栽培クラブのような土づくり、ブドウ栽培などを通じて農園をつくり上げる仲間も増やしています。最初の年だけでも約千人が訪れ、共に豊かな場づくりに参加してくれたそうです。私たちも2022年12月に初めて現地を訪問したところから関わりが始まりました。草一本生えていない無機質な土を目にして、この場所がブドウ畑になるという未来がなかなか想像できなかったのが正直な印象でした。しかしその時に交わされていた議論は、とても現実的で論理的なものでした。夢物語ではなく、この場所を豊かなものに変えていくという確かな意志のもと、何をすべきかが話し合われていました。

それから3年半。いよいよ自社でのワイン造りの環境が整った醸造所の前には、緑に覆われたブドウ畑が広がっています。この畑のブドウからワインが誕生するのはまだ少し先ですが、油井さんやMORIUMIUSのスタッフの皆さん、そしてたくさんの人が関わることで育まれた豊かな環境でどんなワインが誕生するのか。これからの展開もとても楽しみなワイナリーです。
 
【2025年までのワイン造りについて】
2020年の初ヴィンテージから同県の川崎町にある「Fattoria AL FIORE(ファットリア・アル・フィオーレ)」での委託醸造でワイン造りを続けてきました。
ブドウはアルフィオーレさんも使っている山形県南部の食用ブドウがメインで、デラウェア、ネオマスカット、スチューベン、マスカット・ベーリー A、セイベルや北醇(中国で育種されたヴィティス・アムレンシスとマスカット・ハンブルグの交配種)、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨンなどがあります。収穫期には毎週畑に足を運び、ブドウの状況を見て、作るワインをイメージしながら、ブドウによっては糖が上がりすぎない早いタイミングで収穫することもあります。
自生酵母・亜硫酸無添加・無濾過で醸造するため、手作業で腐敗果を取り除きながら収穫されています。収穫されたブドウは、山形から車で1時間かけてアルフィオーレに持ち込み、すぐに除梗、仕込みに入ります。廃校となった体育館を使った施設で、発酵、プレス、熟成、瓶詰めまですべて行っており、2024年からはMORIUMIUS FARM&WINERYの醸造担当室井さんが一緒に醸造を担っています。2026年以降はブドウの購入は変わらず、自社醸造所で自社スタッフによるワイン造りが行われます。(インポーター様資料より引用)
 
20260730