JM セレック ラタフィア
ピエリー村に拠点を置くジャン・マルク・セレックは、かつて高い名声を誇ったこの村に、再び脚光を呼び戻すかの如く躍進するスター生産者だ。初代のアンリ・セレックにより1960年代からこの地でブドウ栽培を始めたセレック家は、1969年に最初のシャンパンを生産、ワイン醸造学を学んだ2代目リシャールの時代にドメーヌの近代化が進んだ。2008年からワイナリーを引き継いだ3代目となるジャン・マルクは、豪ヤラ・ヴァレーや米ナパ・ヴァレーのメゾン・シャンドンで研鑽を積み、優れた技術的アプローチを会得し家族のワイナリーに戻ってきた。しかしこの経験の中で、セラーでの絶え間ない”修正”は、最終的には味と質感を標準化する以外に何の目的も持たない、と技術的アプローチの限界も感じ、ワインの偉大さの原材料はセラーではなく畑にあることを実感したという。ジャン・マルクはドメーヌに戻ると即座に除草剤の使用を止め、オーガニック栽培へと移行し、2010年以降はビオディナミの手法も一部取り入れた。土壌の過度な圧縮を避けるため一部は馬を使って耕作、カバークロップやリビングマルチを活用し、ハーブの調剤の使用によって土壌の微生物を活発にし、ブドウ樹の健康と深い根付きを促進している。こういった畑での選択により、ブドウのpH値を低く保ち、十分に高い自然の酸度を保ちながら、より熟したブドウの収穫が可能になるという。
2015年には最新の醸造設備を備えたセラーを建設し、グラビティ・フローを利用できる環境を整えた。特に最新の傾斜式コカールプレス(PAI)は、圧搾時に果汁を即座に冷却することを可能にし、よりブドウと果汁の完全性を保つことに繋がったという。醸造にはステンレス、バリック、フードル、卵型コンクリート、アンフォラなど様々な容器を導入し、自然酵母で発酵、区画ごとに醸造し、清澄・濾過はせず、澱との熟成期間を長く持つことを基本としている。SO2使用は最小限にし、極めて少量のドサージュに留める。セレック・スタイルの基礎は、ワインの自然なバランスと果実や土壌の純粋な表現を追求することにあり、畑での最先端の作業、健康で完璧に熟した果実、人工的介入を抑えた醸造工程、長い澱との熟成期間が、活気に満ちた、真のテロワールのシャンパーニュを生み出す要素だとジャン・マルクは強く語る。
今やジャン・マルクはコトー・シュッド・エペルネのみならず、シャンパーニュを代表するスターへと上り詰めている。2023年度版Bettane+Desseauveでは4ツ星評価を獲得し、Wine Advocateのウィリアム・ケリーは「ジャン・マルク・セレックはシャンパーニュ地方で最もエキサイティングでダイナミックな若手生産者の一人だ。ピエリーは歴史的にかなりの名声を享受したが、セレックのおかげでそれを取り戻す可能性が非常に高い。彼のワインは全てお薦めで、読者にはこれらのワインを知ることを心からお勧めする」と記している。(インポーター様資料より引用)
こちらは葡萄の果汁にブランデーを加えて熟成させたデザートワイン
シャルドネ50% ピノムニエ40% ピノノワール10%

